「観光で行きたい」と思わせる要素
効果があるもの、あまりないものとは?

 同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長によると、ランキングの元になった観光意欲度の点数は上昇傾向にあり、「2011年の震災をピークに2015年までダウントレンドにあったが、2016年からは地方創生ブームを背景に観光意欲度は上昇している」ことが背景だという。

 では、観光意欲度アップにはどのような要素が寄与しているのか。田中社長は、(1)数年以上の長期的な効果が見込める要素と(2)1年ほどの短期的な効果で終わる要素、そして(3)瞬間的な効果しか見込めない要素の大きく3つに分けられると語る。

 まず、数年以上の長期的な効果が見込める要素が「世界遺産」だ。例えば、中尊寺金色堂を含む「平泉の文化遺産」を要する岩手県は、2011年の世界遺産登録ながら未だに順位を上げており、今年は昨年31位から24位へと順位を上げた。また、今年「長崎と天草地方の潜伏キリシタン」が世界遺産登録された長崎県は、昨年12位から9位となり、今後も上昇が期待できる。

 それに対して、効果が1年程度の短期で終わりやすいのが、JRグループ6社と自治体が協働で実施する大型観光キャンペーンの「デスティネーションキャンペーン」だ。

「栃木県は今年の4月から6月にデスティネーションキャンペーンを打ち、昨年もそのプレキャンペーンを行っていた影響から、昨年45位から1位アップの44位に。県内でも有数の観光地を有する日光市は、市区町村別の観光意欲度ランキングで昨年20位から今年は19位になった。しかしこれは需要の先食いでもあるため、来年以降は下がってしまう可能性もある」(田中社長)

 そのほか、大河ドラマや朝ドラ(NHK連続テレビ小説)も、「放映されている1年前後の短い期間での効果しか見込めなくなっている」(田中社長)という。

 こうした長期や1年単位で効果が見込めるものに対し、田中社長が意外と効果が見込めないと語るのが「映画」だ。

「映画の舞台になった場所は、公開直後は反響があるが、公開が終わると効果がすぐに薄れる傾向がある。また、撮影場所だけの“局地的”な盛り上がりで終わり、地域全体に広がりづらいという問題もある」(田中社長)

 国内旅行への関心が高まる中、観光意欲を刺激する様々な要素は意外とたくさんある。それらを上手に生かして観光客を増加させられるか、各自治体の実力がこれからますます試されそうだ。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 林 恭子)

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