米国の要請でカナダ国内で逮捕された華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)は、一般の企業幹部とは一線を画す。孟氏(46)はファーウェイ創業者の娘であり、最近は後継者の有力候補としても浮上していた。孟氏への注目が高まっていたなかでの逮捕は、ファーウェイのみならず、貿易問題などをめぐって緊張している米中関係を一段と冷え込ませる恐れがある。ファーウェイ創業者で父親の任正非氏(74)は人民解放軍の元エンジニア。30年以上前にファーウェイを創業し、世界に通用する中国の大手民間企業に育てた。米政府はこのところ、世界の通信網を牛耳るファーウェイの締め出しに躍起となっていた。その背景には、同社のシステムが中国当局のスパイ活動に使われかねないとの懸念がある。ファーウェイは米国のこうした見方を否定。欧米の競合メーカーの製品と同様に安全だと主張している。