米中の旗Photo:Reuters

 【北京】米国と中国は貿易交渉ですでに反目し合っているが、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の幹部が逮捕されたことで、対立はますます激しくなりそうだ。ハイテク大国を目指す習近平国家主席の野心にとって、これは大きな打撃となる。

 ファーウェイは激化する米中摩擦の渦中にあった。習氏は今夏、米半導体大手クアルコムによるオランダのNXPセミコンダクターズ買収を実質的に阻止するよう、中国規制当局に命じた。複数の関係者によると、ファーウェイを守ることが目的だったという。

 ファーウェイは将来の通信事業を一変させうる次世代モバイル通信網の世界的リーダーだ。関係者によると、クアルコムとNXPが合併すれば、第5世代移動通信システム(5G)の覇権争いで、ファーウェイにとって強大な競争相手が誕生しかねないと習氏は判断した。

 そして今回、カナダがファーウェイの最高財務責任者(CFO)である孟晩舟氏を逮捕。米国は身柄送還を求めている。同社と中国のハイテク政策がまたも貿易問題に立ちはだかった格好だ。習氏とドナルド・トランプ米大統領は前週末、交渉に道を開くため追加関税を90日間先送りすることで合意していた。

 関係者の1人は、「(中国)政府はファーウェイ保護に全力を尽くすだろう」とし、「少なくとも当面、二国間の貿易・経済関係の安定回復は一段と難しくなる」と指摘した。

ファーウェイの孟晩舟CFOが1日、カナダで逮捕された。同氏はファーウェイ創業者の任正非氏の娘だ(英語音声、英語字幕あり)Photo: EPA