経営×経理

 たとえば、どれくらいの頻度で双方の部署が顔を合わせるのが望ましいのか、打ち合わせに参加するメンバーは誰が適任か、役割分担をどうするか、あるいは目標設定と達成度の計測はどのようなシステムで行うのか、といったことを決めてルーティン化すれば、たとえ異動や退職などで双方の人員に変動が生じても、それらは引き継がれていくでしょう。

 また、大事なことについては時折、内容を見直すことです。経済動向や社会情勢といった外部環境の変化により、会社の経営方針などの内部環境も変化し、否応なしに経理、人事部が求められていた職務にも変動が生ずる可能性があります。たとえば、経理部側がこれまで作成していた資料に盛り込まれている項目を改訂したり、人事考課についても項目を刷新したりといった場面です。そうなると、両者の連携のスタイルも見直して、機能強化を図る必要があるでしょう。

 イベント感覚や「試しにやってみる」といった一過性の取組みではなく、変化にも対応できるようにルーティン化することで、本来の目的である人材の貢献と経営実績を連動させることがが、ごく当たり前にできるようになるのです。

経営陣や部門長は
「スタンダード」からの脱却を図れ

 さて、経営陣、部門長クラスの方々は、月次の経営会議などの場面では、主にどのようなところに視点を置いて臨んでいるでしょうか。重責を担う立場であれば、効率面や収益性を最優先させ、経理部が作成した資料の中で重要視しているところにマーカーを引きながら、要所・要所を各部門長に確認するといったアクションをしている方が多いと察します。

 こうした方法はスタンダードなので、確認される部門長側もしっかりとした返答ができるよう、日々切磋琢磨しながら任務に当たっているでしょう。もちろんこうした方法でも、これまで良好な経営活動を実現できていたかもしれませんが、今後はもっと視野を広くし、部門間での連携がどのように図られているのか、といったところに目を向けると、さらに状況を好転させられるケースも出てくるはずです。

 限りある経営リソースを有効に活用する、中でも“人”の潜在能力を引き出して事業活動を活性化する、といったことは当たり前の手段です。しかし、あなたの視野が旧態依然のままであれば、そうした手段をさらに進化させることはできないかもしれません。

 ここまで述べたことを参考にして、人事と経理の連携を模索してみない手はありません。

(ビジネス作家・経理環境改善コンサルタント 田村夕美子)

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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