ルカ・キナード君が電子たばこを吸い始めたのは2017年、ハイスクールに入学した直後だった。他の多くの生徒が電子たばこの一種である「ジュール」を使っていたのを見て、試しに吸ってみようと思ったという。間もなく常時吸引していたいと感じるようになった。自宅でも学校でも、友達と一緒の時も「ジュールする」状態に陥り、1日当たり4ポッド程度を消費するようになったという。USBメモリーに似た形状のポッドには1本当たり、従来の紙巻たばこ1箱分のニコチンが含まれている。ルカ君の好みのフレーバーはマンゴーとメンソールだ。「ストレス解消の薬のようだった」と語る。優等生名簿に載るような生徒だったルカ君だったが、成績が下がり、スポーツや趣味への関心を失うようになり、両親も懸念を抱くようになった。ノースカロライナ州ハイポイント在住の母親ケリー・キナードさんによれば、何もなければイーグルスカウト(最高位のボーイスカウト団員)への道を歩む明るい14歳だったはずのルカ君は両親に対し、激しい怒りにまかせて暴言を吐くようになったという。