また、中身についてですが、あまり事細かにやり方が明記されているものはお勧めしません。なぜなら、あまりに詳細が綴られていると、人は自身で考えたり、工夫したりすることがやりづらくなるからです。大まかな手順と関わっている部署、人、締め切り日など、要所をまとめ簡素に表されているもので、後は実際に従事者が自身で良き方法を模索しながら実践できるようなものであるか否かを、マネジャーは確認しましょう。

 あなたが率いる経理部内に備えられているマニュアル。ひょっとしたら、刷新する箇所が多々存在するのではないでしょうか。

“枝葉”からスタートしない!
“森”の視点から引き継ぎを行う

 筆者の経験ですが、あまりパソコンも普及していない時代に配属された経理部で、伝票の束と帳簿を渡され「前のものを見ながら、記帳してください』といった引き継ぎを受けたことがあります。おそらく、筆者が経理経験者であまりアレコレと説明しなくても解るという判断からだったのでしょうが、戸惑ったことは言うまでもありません。

 現代に置き換えれば、引き継ぎ初日から仕訳伝票入力をいきなり当たらせたり、ファイリングさせたりといった“枝葉”から入ると、引き継ぎを受ける人の視野を狭め、モチベーションの低下にも繋がりがちです。まずは、その仕事が何の目的のために存在していて、どの部署に繋がりがあるのか、またどこで貢献しているのかといった“森”の視点から説明することです。そうすれば、組織の中での自身の役目を見出し、引き継ぎを受けながら自身で注意しなければならないことを考えたり、さらに貢献度の高い方法を模索したりと、その人なりの方法を見出せるのです。

 同じ引き継ぎでも“森”と“枝葉”に気を配るだけで、引き継ぎを受ける方の意識が大きく変わることもあり得るのです。

後任者の意見も
取り入れながら進める

 引き継ぎの場面でこれもよく見かけるのが、引き継ぎを受ける人に対して、一方的に方法論を説明している姿です。「この業務はこの方法が一番!」ということなどほとんどあり得ないのです。冒頭でも述べた通り、長く同じ業務を続けているとそれがごく日常になります。