現在、フランスでのRON(リサーチ法オクタン価)95のガソリン価格は1リットル=約1.62ユーロだ。1ユーロ=128.5円で計算して約208円になる。軽油は1リットル=約1.51ユーロで、同194円。日本よりずいぶん高い。日本はRON91のレギュラーガソリンとRON98以上のハイオクタンガソリンの2種類が販売されているが、欧州にはこの中間のRON95がある。日本に輸入される欧州車の多くはRON95指定になっている関係で、日本での使用燃料が“ハイオク指定”になる。

フランスの燃料税制は複雑
増税は改めて議論される展開に

 フランスの燃料税制は複雑だ。少々古いデータになるが、13年末時点の税制を紹介しよう。RON95ガソリンの税別価格は1リットル=0.589ユーロで、これに石油製品国内税が0.6069ユーロ乗せられる。そのうえで19.6%のVAT(付加価値税=日本の消費税に相当)が課せられ、小売価格は1.43ユーロだった。日本同様、“製品価格+税金”に、最終的な売り上げ税が課税されるというタックス・オン・タックス(2重課税)である。小売価格は税別価格の約2.43倍になっている。

 この後、原油価格の高騰を受け、石油製品そのものの税別価格が上昇。17年5月にマクロン政権が誕生した時点では、この原油価格アップ分が小売価格上昇の3分の2を占めていた。残り3分の1は17年1月の増税分である。そして、ガソリンの国内税は18年1月に1リットル=0.038ユーロ、軽油は同0.076ユーロ値上げされた。毎年、議会が決める増税分である。

 軽油の増税幅が大きい理由は16年の議会決定の結果であり、軽油の小売価格をガソリン並みにするための増税が17年から実施されている。ただし事業用ディーゼル車は減税される。

 19年1月にマクロン政権が予定していた増税は、ガソリンが1リットル=0.029ユーロ、軽油は同0.065ユーロだった。これが実施されると、ガソリン小売価格はRON95が1リットル=1.65ユーロ(約212円)、軽油は1.58ユーロ(約203円)となり、ガソリンと軽油の価格差はますます小さくなる予定だった。しかし、この増税は1年間凍結される結果になった。国民の反発が、あまりにも大きかったからだ。増税に関しては、あらためて議論される展開になるだろう。