スマートフォンのメーカーではこのところ悪材料が続いている。アップルもサムスン電子も今月、スマホ販売の減速を受けて2018年10-12月期の業績が悪化したとの見通しを示した。中国勢は2大メーカーである両社からシェアを奪っているものの、減速と無縁ではいられないだろう。明らかな例も既にある。中国のスマホメーカー、小米科技(シャオミ)が競合のアップルよりも大幅な株価下落に見舞われているのだ。今月はアップル株が3%下落しているのに対し、シャオミ株の下げ幅は20%を超えている。シャオミ株の下落にはテクニカル要因もある。同社は昨年7月に47億ドル(当時のレートで約5200億円)規模の新規株式公開(IPO)を実施したが、それに際するロックアップ(売却制限)期間が終了し、IPO以前から同社株を保有していた投資家や従業員による売却が可能になったのだ。同社はインセンティブプログラムに従い12月28日と1月2日に12億5000万株の新株を発行したことを先週届け出た。約16億ドル、シャオミ株全体の5%に相当する規模だ。その大半はゼロに近い金額で発行されたことから、受領者が売りを出すにつれ同社株はさらに下落するかもしれない。