外骨格デバイスPhoto:iStock/gettyimages

 カナダ・オンタリオ州ウッドストックにある北米トヨタの広大な工場設備の溶接現場では、ロボットアームの金属音が響き、時折火花が飛び散る中、2人の男性作業員が「RAV4」のフレームを検査している。現地で人気のクロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)の新型モデルに使うものだ。

 作業員は両腕を頭上に挙げ、棒状の超音波スキャナーをかざして、数十カ所の溶接部分を検査する。数カ月前までこの作業はハンマーとのみを使い、座ったまま行っていた。だが最新のRAV4には、より軽量で強度を増した金属を使うため、超音波検査が必要となった。出来上がったフレームは60秒ごとに運ばれてくる。腕を伸ばした状態が長時間続けば、肩にダメージを与え、疲労によるけがや生産性低下を引き起こしかねない。

 しかし彼らは「外骨格デバイス(エクソスケルトン)」の支援を受けている。米カリフォルニア州サンディエゴの新興企業、レビテイト・テクノロジーズが開発したウエアラブル装置だ。これを装着した作業員が腕を上げると、まるで上半身が水に浮かんでいるように、腕が浮揚する感覚があるという。手を下ろすと少しずつ支援システムが解除され、腕が自然にぶら下がる。

 「非常に未来的だ。それが何だがわからなければ、一目見て笑ってしまうだろう」。エクソスケルトンを3カ月近く使用した勤続11年のベテラン工員、ニック・バンダーバーンさん(41)はこう話す。「だがひとたび使い慣れると、身体の一部のようになる」