「自民 単独過半数の勢い」世論調査をすんなり信じている人が知らない事実【池上彰・増田ユリヤ】2026年1月31日、神奈川県川崎市の演説会場で笑顔を見せる高市早苗首相 Photo:JIJI

2月8日投開票の衆院選を前にして「自民 単独過半数の勢い」など様々な世論調査が公表されている。ジャーナリストの池上彰氏と増田ユリヤ氏は「世論調査の結果だけではなく、注意深く中身を見てほしい」という――。
※本稿は、「池上彰と増田ユリヤのYoutube学園」の「【解説】各社データを使い回し!?“調査方法”を知れば「世論調査」への見方が変わる!」の一部を抜粋・編集したものです。

世論調査の結果が続々と発表
そもそもどんな調査をしているのか

増田 選挙が始まると数字が気になるんですけれども、衆院選も終盤になって世論調査の結果が続々と発表されています。

池上 昔の世論調査というと、例えば新聞社が住民基本台帳、つまり住民票で無作為抽出をして、「この人に話を聞こう」と言って調査員がそこまで行って、「誰に投票しますか」ということを聞いていた時代があるんですよね。だけど今、そんな人が来ても皆さんお答えしないでしょ。

増田 大体そんなに個人情報が漏れるなんてことは考えられません。

池上 そうでしょう。今はそういうことが全部できなくなったので、じゃあどういう調査をしているのかということを見ていきましょう。

読売新聞と日経新聞の世論調査
同じような結果に見えるが…

増田 実際に発表されているもので新聞を例に取るわけなんですけれども、読売新聞と日経新聞の1月29日の朝刊の一面の見出し、そこに世論調査の結果が出ていました。

 まず読売新聞は「自民 単独過半数をうかがう」、そして日経新聞は「自民 単独過半数の勢い」。言葉は違うけど、言っていることは一緒かなという感じがします。

池上 一緒ですね。だからこうやって見ると「読売も日経も同じような結果が出てるんだ。やっぱり世の中はそうなんだ」と思ってしまうかもしれませんが、新聞をよく読むと、実は読売新聞と日経新聞は一緒になって調査していたんですね。

増田 はい。1面に調査方法が書いてあるということなんですね。

 読売新聞の調査方法は「電話調査は自動音声による調査で11万7533人。インターネット調査はYahoo!JAPANのIDを持つユーザー17万8735人。合計すると29万6268人から回答を得た」となっています。

 日経新聞の調査方法は「全国で27日、28日両日に電話とインターネットで調査した上で、取材を加味して情勢を分析した」。違いますよね。

池上 それぞれ違うように思えますよね。でもさらにその後、中面に詳しい説明があるんですね。