ホスピス・緩和ケア病棟への評価が
患者から意外に低いワケ

 次に、患者がどのような気持ちだったかも、多くの設問で知ることができる。

 ここでもホスピス・緩和ケア病棟への評価は低い。「人として大切にされていた」という質問には、91%と相当に高率な自宅には及ばないのは当然としても、介護施設とほぼ同様の80%となった。72%と最低評価の病院よりはましではあるが、患者への接し方に大きな問題を抱えているようだ(図4)。

「穏やかな場所で過ごせた」には、ホスピス・緩和ケア病棟は51%とほぼ半数の評価で、自宅とは11ポイントも差を付けられ、58%の介護施設をも下回った。

 その一方で、医療提供者の「努力」への評価はホスピス・緩和ケア病棟が最も高い。設問の「医療者は患者の苦痛症状に速やかに対応していた」と「医療者は患者の不安や心配を和らげるように努めていた」は、共に90%前後に達している。目の前での医療者たちの動きには十分納得しているようだ。だが、患者自身の痛みからの解放や居心地の良さなどで結果が伴わないようだ。

 実は今回のアンケート調査の配布先は、日本の総死亡者の場所別の割合とは大きくかけ離れている。調査時点の16年の病院死は76%、自宅死は13%、介護施設死は9%だった。

 だが、アンケート結果の回答者は、ホスピス・緩和ケア病棟が5%、病院が25%、自宅が43%、介護施設が26%で、現実よりも自宅と介護施設が多く、ホスピス・緩和ケア病棟を含めても病院が少ない。

 病院では痛みを少なく感じる患者が他の場所よりも少ないことから、「痛みが少なく過ごせた」と「身体の苦痛が少なく過ごせた」という痛みの調査結果は、もっと数字が高くなりそうだ。つまり、30%前後ではなく40%以上に達するのではないだろうか。