ドイツでは、社会が過重サービスを減らすことによって生活コストを低くし、自由時間を増やすことで、収入が低くてもゆとりのある暮らしを送ることができている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

世界的に見ても便利で豊かな生活をしているのに、なぜか国民の幸福度が低い日本。その一方で、日本よりも質素で倹約的な生活をしているドイツは、なぜ日本よりも幸福度が高いのか?ドイツ在住のフリージャーナリストで、新刊『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)の著者・熊谷徹氏が、お金をかけないドイツ人の生き方や社会の仕組みから、暮らしをより豊かにするヒントに迫る。

客より店のルールを優先!“サービス砂漠”のドイツ

 私がドイツのミュンヘンに住んで29年、強く感じることの一つは、ドイツ人が金銭的に測ることができない価値を日本よりも重視しているという点だ。一般的にドイツ人は日本人に比べて質素であり、倹約家も多く、1年間の平均可処分所得は290万円前後と意外に低い。それでも、ドイツでの生活には、日本で感じることのできない一種の「豊かさ」があり、それは働き方や休日の過ごし方にも表れている。