小さなレストランのオーナーになったつもりで考えてみてほしい。事業を拡大したいと思っても、金利が高ければ再考するかもしれない。しかし金利が下がれば、借り入れにもっと前向きになるかもしれない。ところが、近所にある大手チェーンレストランも同じような水準の低金利で借り入れ、それ以上に大規模な事業拡大を行うかもしれない。それによって小さなレストランは顧客を奪われたり、閉店に追い込まれたりする可能性もあるのだ。過去20年くらいにわたり、そうした現象がさまざまな業界で繰り広げられてきた。プリンストン大学の経済学者、アーネスト・リュー教授とアティフ・ミアン教授、シカゴ大学ブース経営大学院のアミール・スフィ教授による新たな調査によると、米国経済全体の活力がそれによって弱められているという。
低金利がもたらす経済の低迷、そのからくり
大手は中小よりも有利に活用し他社の追随も困難に
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