333Photo by Takahisa Suzuki

 【東京】日本の経済界首脳は、中国経済の減速で同国への依存度の高さが鮮明になる中、貿易摩擦を巡り米国に比べ穏健な姿勢を示している。

 日本経済団体連合会(経団連)の中西宏明会長(日立製作所会長)はインタビューで、中国について「敵に回したりしては日本は存在し得ない。米国の場合はそれはできるかもしれないけど、日本はそうはいかない」と語った。

 ここ2週間ほど、業績予想を下方修正する日本企業が相次いでいる。日本経済の原動力である輸出にとって、米国が最も重要な市場ではなくなった様子が浮かび上がっている。

 中国は2018年に日本から1460億ドル(約16兆円)の財を輸入。前年比では6.8%増加し、米国の輸入額をわずかに上回った。そのほか香港も日本から350億ドル相当を輸入した。

 かつて米国に家電を輸出していた日立など日本勢は、中国メーカーへの供給という、目立たないが収益性の高い事業に軸足を移している。

 中西会長は「裏側の材料とか、それに半導体の製造装置であるとか、あるいは工作機械とか、そういう商売を日本がずっと享受しているが、それにブレーキがかかったのは事実だ」と話した。

 さらに、中国は地元提携先への技術移転の義務づけなどの外資規制を撤廃すべきだと指摘。ただ、中国政府にあまり強い圧力をかけるのは賢明ではないと説明した。

 中西氏は「貿易赤字の問題、技術移転の問題だけに焦点を当てるのはおかしいと思う」とし、「関税の攻防戦はもう全く意味がないと思う。お互いに誰も勝者はいない」と話した。ただ、米トランプ政権の不興を買うと日本にも関税をかけられかねないため、あまり強くは主張しないと語った。

 中西氏は、中国側には李克強首相ら、応じる構えのある首脳もいると指摘。「無理やり『技術をよこせ』という話はもうよしましょう、と言わないといけない。『その通りだ』とトップの指導者に言われる」と述べた。

 さらに、「李克強さんは特にそういうことの担当だから『何か問題があったらいつでも俺に言ってくれ』と言ってくれる。ただ現場は時々、そうじゃないことがいっぱいある」と語った。

(The Wall Street Journal/Peter Landers)