昨年8月のある晴れた午後。紅海沖のヨット上に、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と米新興メディア「バイス・メディア」の共同創業者、シェーン・スミス氏の姿があった。全く縁のなさそうな相手同士の提携について協議するためだ。  これより先、サウジ政府系の企業が、国内の社会改革に関するドキュメンタリー番組の制作についてバイスに依頼していた。今回の新たな提案は、この関係を合弁事業の設立に格上げするというものだった。サウジと他の欧米メディアが行っている提携の枠組みを踏襲するという。