日産自動車とルノーの完全統合の可能性を巡り、フランス政府は2018年春に日産と直接協議していた。関係者が明らかにした。仏政府の提案と、それに対する日産のかたくなな反対姿勢は、日産・ルノー連合の将来を巡る日仏の意見の相違を浮き彫りにした。協議から数カ月後、日産会長だったカルロス・ゴーン被告が逮捕された。ゴーン被告は日産・ルノー連合を実現させた立役者で、11月に逮捕されるまで両社の会長を兼務していた。日産とルノーの幹部は、ルノーの筆頭株主であるフランス政府も巻き込み、連合の構造をいかに変えるか何カ月にもわたって議論を戦わせていた。日産がゴーン被告の調査を開始する以前から、議論は激しさを増していた。日仏の緊張関係の高まりは、ゴーン被告の逮捕で誰もが知るところとなった。