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 世界のインターネットは2つの陣営に分かれている。

 中国が主導する陣営には、モバイル決済が現金に取って代わったデジタル世界がある。スマートフォンが重要なデバイスであり、買い物からチャット、銀行口座管理、ネットサーフィンに至るまで1つのアプリで全て行える。不都合な点は、政府が絶対的に支配し、常に監視していること。友人との通信では暗号を使うべきかもしれない。グーグルやフェイスブックにアクセスできると思ってはいけない。

 世界の大半が属するもう一方の陣営では、インターネットは誰にでも開かれている。大抵の場合、何でも言いたいことが言え、ウェブ開発業者は何を売り出してもかまわない。中国版に慣れた人々は、こちら側のインターネットはちょっとダサいと不満を言う。チャット、買い物、銀行口座管理、ネットサーフィンのためにアプリをいちいち切り替えなくてはならない。ウェブサイトの一部はいまだにスマホを念頭に置かずに設計されているようだ。

 超高速の次世代移動通信技術「5G」の出現により、この両陣営が衝突する場面が増えた。中国はネットワーク機器の最大供給者になることを目指す。それを通じ、中国のインターネットに対する考え方を供給先の国々に受け入れさせるつもりだ。中国がインターネットを統制し、欧米の影響を抑えるのに用いる検閲システム「防火長城(グレート・ファイアウォール)」を使うよう、実質的に一部の国に促している。