ジム・ロジャーズ『お金の流れで読む日本と世界の未来』ジム・ロジャーズ氏の著書『お金の流れで読む日本と世界の未来~世界的投資家は予見する』

 しかし、もう外国人はいらないと言って閉鎖した途端、完全に崩壊した。いま、GDPが世界平均の5パーセントにも満たないこの世界最貧国に行きたいと思う人はなかなかいないだろう。

 いまや世界経済をリードする存在となった中国も、過去に同じ過ちを犯している。

 ヨーロッパ人がアメリカ大陸に渡るはるか前に、中国はアメリカを発見していたという説がある。ヨーロッパ人がアメリカを発見した時、すでにそこには中国人がいたのだ。しかし中国の皇帝か誰か権力者が、新大陸に求めるものは何もないと言って船をすべて燃やしてしまった。

 アフリカなど各地を探訪した鄭和という有名な提督もいたが、政府は彼の残した貴重な地図や記録もすべて燃やし、国を閉鎖してしまった。するとどうだろう、中国は衰退の一途を辿った。

 アメリカだってそうだ。アメリカ経済が一番繁栄を極めていたのは移民法が制定される1920年代の前だと、私は著書(『冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート』SBクリエイティブ)をはじめ、多くの場で繰り返し述べている。

 このように、外国人を排除し、門戸を閉じた国が衰退の一途を辿るということを、歴史は何度でも教えてくれる。外国人は新しい活力、新しい血統、資本、アイデア、興奮、刺激をもたらす。だから繁栄している国は外国人を欲しがるのであり、外国人もそんな国に惹きつけられる。ただ、国内で問題が起きて不満がたまってくると、何でも外国人のせいにして、やがては追放してしまう。外国人を追放する方が結局はさらなる問題を引き起こすというのに、だ。

(ジム・ロジャーズ、訳/大野和基)

※本文は書籍『お金の流れで読む日本と世界の未来~世界的投資家は予見する』を一部抜粋して掲載しています。