国境の壁の試作品Photo:Reuters

 ドナルド・トランプ米大統領は議会の反対をかわしてメキシコ国境沿いに壁を建設するため国家非常事態を宣言した。反対派は以前から法廷で争う可能性を示しており、既に提訴した団体もある。どのような訴訟になるのだろう。

大統領はどのような法的権限を行使するのか

 複数の連邦法は大統領に対し、非常事態の際に、議会が組んだ予算の一部を特定の目的に振り向けることを認めている。ホワイトハウスはどの権限を行使するか発表していないが、法律の専門家が注目しているのは軍の建設予算や陸軍工兵司令部の土木工事予算の転用を認める条項。これらの予算を転用すれば、大統領は壁建設に必要な数十億ドルを確保できる。

民主党が支配する下院は提訴するか

 議会が組んだ予算を政権が他のプロジェクトに転用すれば、民主党率いる下院は憲法上の権限が侵害されたとして提訴する可能性がある。その場合、提訴先は首都ワシントンの連邦地方裁判になるだろう。オバマ前政権時代に下院が予算をめぐってホワイトハウスと争ったとき、同地裁は下院側に付いた。