農林中央金庫Photo:PIXTA

 米国では今年1月、資金の借り手企業が厳しい状況に置かれた時期が数週間あった。12月の株価急落から一転し、事態は上向き初めていたものの、投資不適格級企業向けの市場の一部に問題が生じていた。

 そこに救世主として現れたのが、日本の農林中央金庫(農林中金)だ。

 創立95年の農林中金は農協や漁業協同組合などから66兆円を超える預金を集め、推定7000億ドル(77兆3500億円)の世界のローン担保証券(CLO)市場で大きなシェアを占めている。

 農林中金が保有するCLO資産は620億ドルと、米国の2大銀行ウェルズ・ファーゴとJPモルガン・チェースいずれのCLO資産をも上回る。その影響力は拡大しており、2018年10-12月には保有資産を約100億ドル積み増した。これは同期間の欧米のCLO発行総額の3分の1近くに上る。

 CLO市場は近年、活況を呈している。米国の金利上昇で銀行やその他長期投資家の変動金利債券への投資意欲が堅調なためだ。農林中金のCLO市場での存在感の拡大は、世界経済が不透明な中でCLOの魅力が増していること、そして投資の集中にはリスクがはらむことを浮き彫りにしている。