時代を変えるイノベーターとして活躍する若きリーダーたちは、どう育ってきて、どんな原体験を持っているのか。今回は、大学在学中に地方の魅力的な商材を女性や若者目線でプロデュースするハピキラFACTORYを立ち上げ、その経営者の立場のまま就職し、現在はソニーの社員との二足のわらじ──パラレルキャリアを歩む正能茉優さんです。(聞き手/本誌編集長・深澤 献)
正能茉優Photo by Masato Kato 拡大画像表示

「すごい」でなく「面白い」
審査員特別賞を狙う子

──名前からして、いかにも“お嬢さま”っぽいですが。

 全然そんなことありません。父は普通の会社員、母は料理講師だけどほぼ専業主婦です。

 東京の下町・荒川区の出身で、道灌山幼稚園という地元のほんわか幼稚園に行ってました。水泳の北島康介選手や女優の芦田愛菜ちゃんと同じところです。

──小学校は受験して国立の筑波大学附属小学校に通ったんですね。

 小学校受験は、親がさせたがったんです。でも、いわゆる教育ママではありません。勉強しろって言われたことはなくて、言われたのは早寝早起き、朝ご飯はちゃんと食べなさいってことぐらい。

 父も母もいい大学を出ているわけじゃないし、そもそもうちでは大学進学すらマストじゃなかった。小学校受験をさせたのも、私に“上”に行かせるためというより、“横”に選択肢の幅を広げたいという思いだったんだと思います。

 だから小さいころから、知り合いのお姉さんがバイオリンをやっていればバイオリンを習い、絵がうまくなりたければ絵画教室に通うといった具合に、やりたいことは何でもさせてくれました。お琴もバレエもダンスもやったし、小学校受験の勉強もお稽古事の流れで自然にやっていました。