大学3年生のとき、地方の商材をプロデュースする会社「ハピキラFACTORY」を立ち上げ、代表取締役に就任した若手女性起業家の正能茉優(しょうのう・まゆ)さん。新卒で大手広告会社に入社してからも、社長業を続けていた。そんな彼女は2016年10月、同じく大手企業の「ソニー」に転職。もちろん社長業は担ったまま。
物心ついた頃にはインターネットが普及していたミレニアル世代に生まれた彼女は、なぜ2つの職業を兼ねる「パラレルキャリア」を選択し、そこから何を得たのか。彼女の真意に迫った。(取材・文/高良空桜)
ソニー社員とハピキラ代表
2つの職業のバランスをとる
──正能さんが実践されているパラレルキャリアとは、具体的にどんな働き方なんでしょうか?
パラレルキャリアとは複数の仕事を兼ねる、あるいは仕事以外に非営利活動に従事することを指します。私の場合は、大学時代に立ち上げた「ハピキラFACTORY」の代表取締役と、ソニー株式会社の一社員という2つの職業を兼業しているんです。
ソニーでは新商品を開発するコンスーマーエクスペリエンスプロデューサーとして平日の9時30分から17時30分まで勤務。平日の出社前、水曜の夜、土曜の朝9時から夕方まで、地方に行く場合は日曜日もハピキラの業務に充てています。ソニーとハピキラが6対4ぐらいの割合ですね。
──そういった働き方を選択したキッカケを聞かせてください。
理由は2つあって、まずは私が生まれたミレニアル世代の価値観。この世代って、とにかく仕事だけして、仕事で120点とれば人生も120点だよねという価値観じゃないんです。仕事、家族、友達、恋人、趣味などの一つひとつは50点とか70点でもいいから、すべてをバランス良く頑張って、人生全体で120点にしたいねっていう。