トランプ大統領Photo:Reuters

 ホワイトハウスは11日、2020会計年度(19年10月~20年9月)の予算教書を発表した。その細部は米国の真の財政問題を浮き彫りにしている。それは、社会保障給付などの支出が国防を含む他のすべての重要項目を飲み込みつつあるという状況だ。いま注目すべきは、ドナルド・トランプ大統領が共和・民主両党の合意による新たな予算膨張(複数の法案を束ねた「オムニバス歳出法案」)を受け入れることなく、国防予算をどれだけ救済できるかである。

 2020年度予算教書には、過去2年間の予算上の判断が反映されている。歳出は前年度比4.8%増の4兆7500億ドルが見込まれている。19年度は10.2%増の見通しだが、これは両党の合意による産物だ。共和党はオバマ政権時代の長期にわたる国防支出の縮小を埋め合わせるため、国内施策の支出拡大で民主党に譲歩した。民主党は2011年予算管理法で定められた歳出上限のおかげで影響力を握った。この上限は2年間にわたって引き上げられた。

 両党の合意は不可避だったが、その代償は小さくない。今年度と来年度の連邦政府の歳出は国内総生産(GDP)の21.3%に拡大する。2017年の税制改革の影響で歳入の拡大ペースはこれより遅いが、それでも2年間で9.5%増えるとみられている。米経済が2018年と同様のペースで成長すれば、年平均で1550億ドル増える計算だ。2020年度の歳入は3兆6500億ドル、財政赤字は1兆1000億ドルと見込まれている。