テキサス大学Photo:iStock/gettyimages

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

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 われわれはどの大学を出たかが成功のカギになるとうんざりするほど聞かされている。では、一部の親が法律に違反してでも子供を名門大学に入れようとするのは当然のことなのか?

  無論、こうした親が大学のコーチや入試管理者に賄賂を送ったとして米連邦捜査局(FBI)に起訴されたのは行き過ぎたケースだ。だが法律を順守している親も無縁ではない。中には誰もがうらやむトップ校に入れるため、自分の母校に数百万ドル寄付したり、1時間1000ドル(約11万円)の受験コンサルタントを雇ったりする親がいるからだ。

 一方で、これは経済的な観点からは意味をなさない。大学の学位が高校の卒業証明書に対して収入面で大幅かつ持続的な格差をもたらす証拠はある。だが一流大学であるがゆえにその差が広がるわけではない。もちろん例外はあるが、一流大学の卒業後に成功した人々の大半は、仮にそうでない教育機関に通っていたとしても成功した可能性が高い。つまるところ、裏口入学を巡って先週起訴された親たちの下に生まれた子供は裕福で、有利な人脈があり、子供のためならほぼ何事もいとわない献身的な親がいるということだ。これは出身大学がどこであっても成功へのレシピとなるだろう。

 それゆえ、合法的もしくは不正な手段で子供をトップ校に入れようとする親に向けられた憤激は、理解できなくはないがピントがずれている。カントリークラブ(スポーツと社交のための会員制クラブ)と同様、一流大学への進学はステータスの証明であってその源泉ではない。他人の富によってはじき出された子供は栄誉を失うだけで、未来を失うわけではない。