カップ麺Photo:PIXTA

災害食として重宝されるカップ麺ですが、被災地で度々問題が起こっているようです。リスク対策.comのコラムニスト奥田和子氏の『本気で実践する災害食』より紹介します。

カップ麺10個を買い実験

 何気なく食べているカップ麺。いつでも、どこでも、誰でもおいしく食べられるカップ麺。そんなカップ麺が東日本大震災時の避難所でひんしゅくを買っていたことをご存じですか? 配られたカップ麺は本当にありがたかったでしょう。しかし、被災者が汁を残して捨てようとすると、待ったがかかりました。なんと捨て場がないというのです。「皆さん、残った汁を飲み干してください」という指示が出ました。はてな?? 高齢者は息をのみました。ああ、なんと辛いことよ……。

 それから5年後には、熊本地震が発生しました。政府は支援物資として60万食のカップ麺を被災地に送りました。本当はありがたいはずですが、苦情が続出しました。なぜか。ガス、水道、電気の供給が停止していたからです。カップ麺は、熱湯なしではどうにもならないと……。