米国中のレストランの店先に自分の会社の主力商品を拒否する看板が出されたら、厄介なことになるかもしれない。そのことに気付いた味の素は1000万ドル(約11億円)を投じて米国人にグルタミン酸ナトリウム(MSG)の安全性を訴える3年間のキャンペーンを実施している。同社は調味料であるMSGを生産するために1世紀以上前に設立された。キャンペーンでは、MSGを使用して塩分摂取量を減らすことができれば健康にいいとも主張している。米国人はアジア人に対する固定観念があったため、「中華料理店症候群」と呼ばれる一連の症状はMSGのせいだと考えた――。味の素や同社を支持する人々はこう主張している。彼らによると、MSGによって体調不良が起きる確たる証拠がないにもかかわらず半世紀前に起こった反MSGの動きは、外国人に対する嫌悪によるもので、科学的な知識によるものではないという。
味の素が挑むイメージ修復作戦、米で投じる11億円
グルタミン酸ナトリウムへの反発は外国人に対する嫌悪によるものとの指摘も
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