配管の不具合を修理する方法を教えてくれる動画を見るつもりが、トイレットペーパーと格闘する猫の動画を何時間も見てしまう。それがユーチューブだ。1日当たりの総視聴時間が10億時間を超えるこの動画共有サービスは、筆者の子ども時代で言えばビデオデッキやカセットデッキ、NBCのニュース番組「ナイトリーニュース」と同程度になじみの存在だ。ところが私たちにとって、ユーチューブの財務状況は、先週に新規株式公開(IPO)の書類を提出したばかりのペット用品販売サイト「チューイ」の財務状況よりも分かりにくい。アルファベット傘下のグーグルが運営するユーチューブはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のロブ・コープランド記者に言わせれば、「財務のブラックボックス」だ。売上高や利益などの数字が検索サービスや基本ソフト(OS)「アンドロイド」、ブラウザーの「クローム」や地図を含むグーグルのその他の事業の数字と一緒にされているからだ。