第5世代移動通信システム(5G)の真価は、前評判の高さに負けない実力を発揮できるかどうかにかかっているかもしれない。次世代通信システムである5Gは、脚光を浴びていると言うだけでは控え目過ぎるだろう。アップルが先月、クアルコムとの長年の法廷争いで和解するという想定外の決断をしたことには、この技術が大きく影響していた。ここ2週間に発表された複数の1-3月期決算でも注目を浴びた。米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズとTモバイルは、電話による決算説明会でそれぞれ49回と35回、5Gに言及した。韓国のサムスン電子は米市場で初となる5G専用スマートフォンを巡り、延期されていた発売を来週に控えている。5G技術に長期的な将来性があることはほぼ確実だが、タイミングは極めて不透明だ。米国内では今年、ほんの一握りの都市でしか5Gサービスを利用できない。規格は本質的に進化の途上にあるため、ほとんどの人は現在の4G LTEサービスで得られるスピードから段階的な改善しか享受することができない。調査会社コーウェンは6日付のアナリストリポートで、「真の5G」サービスが実現するのは最速でも2022年になるとの予測を示した。