「発見」は約10年前
通常の月の倍以上の供花需要

 母の日参りの動きを日本香堂が察知したのは10年ほど前。営業マンが得意先の生花売場で「近頃の母の日は、高価な供花がよく売れる」と耳にしたのが契機だ。調べてみると、お彼岸やお盆のようにピークになるわけではないが、5月はお盆・お彼岸がある3月、8月、9月以外の月と比べると、2倍以上の墓参り需要があることを確認した。

 そこで同社では、実母の喪失で母の日からの卒業を余儀なくされた世代に寄り添うため、「母の日参り」の呼び名で啓蒙活動をスタート。2017年には賛同する企業や団体を集めて母の日参りパートナーシップを結成し、現在、日本香堂以外に、日比谷花壇、亀屋万年堂、日本郵便など13社・団体が加盟して、普及活動に当たっている。

 パートナーシップでは、亡き母への手紙を公募する「母の日参り 手紙コンクール」も実施し、先日の4月末には授賞式も開いた。

 母の日参りに向けた商品開発にも余念がない。日本香堂は今年3月末から「家族愛」をイメージした桜と白檀の香りの「毎日香ナチュラルさくら」を全国で発売。煙と灰が少なく、香りも抑え目なことから、自宅の仏壇でも「母の日参り」ができる点が売りだ。

 また、日比谷花壇では、淡い色味の4種の生花を対で飾れるよう各2本ずつと、日本香堂のカーネーションの香りの線香を組み合わせたセット商品を自社の通販サイトで販売。その他、亀屋万年堂が焼き菓子と線香のセットを直営店、量販店、通販サイトで販売するなど、各社各様に注力する。