韓国では、現政権の施策がいずれも壁にぶち当たっており、打開の道も見当たらなくなってきている。また、大統領周辺や政権幹部、与党関係者を巡るスキャンダルが頻発している。そのため、大統領や政権に対する批判には極めて敏感になっており、批判を抑圧する傾向を強めている。

与党、共に民主党が
目指すのは20年政権

 文大統領とその与党は、大統領の任期が終わった後、保守派が政権を奪回すれば、今度は自分たちがたたかれることを恐れ、革新政権の存続にきゅうきゅうとしている。

 文大統領を擁立する革新政権は、今後20年間政権を維持することをもくろんでいるといわれる。そのために行おうとしているのが、「選挙法」の改正と「高位公職者不正捜査処設置法 」の成立である。これは地域区の議席数を大幅に減らす代わりに、比例代表の議席を増やすことを骨子としている。新しい選挙法に基づき選挙を実施した場合の結果をシミュレーションしたところ、「自由韓国党」はマイナス20議席に対し、弱小与党の議席は大幅増になるという。また、「高位公職者不正捜査処設置法 」は、検察と裁判官、警察などの高級公職者の不正を捜査し、起訴できるもう1つの「司法機関」を設置する法案である。

 これらの与党にとって都合のいい法律が、ファーストトラック(迅速処理案件指定)で審議する法律が、自由韓国党を除く与野党4党の合意で先月国会に上程されたが、共に民主党はこれを押し切る意向ではないかとみられている。

 政権存続のための備えは、政権発足以降継続して進めてきている。青瓦台主導の国政運営を行い、国防部、外交部などを思うように動かしている。主要政府機関の局長以上のポストには政治活動家を送り込んでおり、あらゆる行政事項をコントロールしている。そして、国家情報院、検察、警察、国防部などの権力機関の改革を行い、革新系の支配を強めている。

 司法は憲法裁判所、大法院とも文大統領が任命した裁判官が主流となっている。マスコミに対しても放送局人事を行い、文政権支援の放送を行わせている。

 文在寅政権がこのまま権力基盤を固めていけば、革新系の地盤が一層強固なものになりかねない。