ある土曜日の午後7時、ヤン・リウさんはニューヨーク市にあるディスカウントストア、T.J.マックスの店舗の中を足早に歩き回っていた。カートは化粧品で一杯だ。英国のファッションブランド、バーバリーの香水が半額で売られているのを見ると、「すごい」「今日はこんなにたくさんバーバリーがある」と声を上げた。リウさんはただの買い物客ではない。スニーカーを履き、水のボトルとスマートフォンを携えた彼女は、中国で掘り出し物を待つ1万人の視聴者に向けて店舗から買い物の様子をライブ配信しているのだ。中国人は今、ライブ配信される動画を見ながら買い物をする「ライブコマース」に夢中だ。その効果は世界中の店が実感している。ライブコマースの狙いは生放送の通販番組やタイムセールのような切迫感で買い物客の気を引くことだ。中国の通販アプリに組み込まれているサービスもある。ホスト役は視聴者と直接やりとりができるため、一人の顧客の関心にも応えることができる。
中国人がハマる米国ライブコマース中継
店舗の商品をアプリで紹介、視聴者はクリックして購入
有料会員限定
あなたにおすすめ