中国政府は米国との貿易摩擦を巡り、交渉による解決を望むと繰り返し強調している。だがその一方で、米政権に対する国営メディアの辛らつな批判で愛国心をあおっている。中国は13日、米国が先週発表した中国製品の関税引き上げに対抗し、米国からの輸入品600億ドル(約6兆6000億円)相当に対する関税引き上げ計画を発表した。国営メディアは挑発的なコメントを伝え、国内経済は堅調だとした上で、貿易問題を巡る激しい攻防へ向け市民を奮い立たせた。国営の中国中央電子台(CCTV)は夜のニュース番組で、貿易摩擦は「大した問題ではない」と指摘。中国は「困難を突き抜けて進み」、「危機をチャンスに変える」と伝えた。こうした見解はソーシャルメディアで広く共有された。共産党系のタブロイド紙は社説で、中国が米国との「人民の戦争」に直面しているものの、中国政府には米政権に対抗する十分な手段があると自信を示した。国営ニュース大手もこぞってこれを掲載した。
米中「貿易戦争」、愛国心あおる中国国営メディア
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