
最新データ(2025年末時点)によると、ラップ口座の残高は26兆円を突破。バランス型投資信託と合わせた市場規模は50兆円に迫る勢いです。ラップ口座の1件あたりの平均契約額も1340万円と高水準に達し、富裕層マネーの投資が加速。中東情勢や原油高など先行き不透明な相場環境において、「プロへの一任」が選ばれています。最新の統計データから、資産運用のトレンドを読み解きます。
ラップ口座の契約金額が26兆円を突破!
前四半期比+8.8%の急増、富裕層マネーの投資が加速
2026年3月11日、日本投資顧問業協会が2025年12月末時点の契約資産の状況を公表しました。これによると、ある程度“おまかせ”で金融機関に運用を託す「ラップ口座」の残高は、3四半期連続で増加し、3カ月前の9月末から+8.8%と大きく増加しました。
図表からもわかるように、ラップ口座は契約件数・契約金額ともに増加トレンドが続いており、2025年12月末時点で、契約件数が196.8万件と200万件に迫っています。契約金額は、一気に25兆円を突破し26.4兆円に達しています。
2025年1~3月期は株式相場の下落もあり契約金額は11四半期ぶりに減少しましたが、その後4~6月期以降は好調な株式相場、円安外貨高の効果などで顕著な伸びが続いています。そのような相場好調を背景に、ラップ口座の契約1件当たりの金額は1340万円に。これは、ラップ口座が富裕層向けのビジネスとしてスタートしたばかりの2013年12月以来の高水準です。
ここ数年、ロボアドバイザー(ロボアド)の人気などで、ラップ口座の1件当たりの金額は、小口化する傾向にありました。しかし、地域金融機関を始めとする対面チャネルでの取り扱いが広がっています。こうしたことも、再び増加トレンドに転じた一つの理由と言えるでしょう。
バランス型と併せると資産分散型の残高は50兆円に
投資家のリスク回避の動きが鮮明に
同じく、複数の投資先に資産を配分するアセットアロケーション運用を行う金融商品として、「バランス型投資信託(アロケーション型の投資信託)」があります。一般的なバランス型投資信託の残高も増加トレンドであり、2025年12月末時点で21.0兆円となっています(投信評価を手掛けるモーニングスターのデータによる追加型投資信託の残高)。
ラップ口座の契約金額が26.4兆円なので、ラップ口座とバランス型投資信託の合計の残高は47.4兆円となり、50兆円に迫っています。
それぞれの残高の増加ピッチを見ると、5年前の2020年12月末比でバランス型投資信託が+84%、ラップ口座が+149%となっており、特にラップ口座の市場拡大が優勢となっているようです。
もちろん、投資信託での運用を一任する「ファンドラップ」の場合は投資信託にはない付加的なサービスもあり、一概にアセットアロケーション運用(運用資金を複数の異なる資産に配分する分散運用)と一括りにすることは適切ではない場合もあります。しかしバランス型投資信託とラップ口座の双方の増加トレンドをみると、プロによるアセットアロケーション運用への需要が高まっているという状況が浮かび上がります。
足元では、中東情勢悪化による原油価格急騰を受けて、投資家のリスク回避の動きも一部で見られています。こうした環境下で、アセットアロケーション運用の意義が改めて認識され、バランス型投資信託とラップ口座が安定的な資産運用の受け皿となっていくことが期待されます。
藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。
<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017
本記事は2026年3月21日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。





