米アルファベット傘下のグーグルは携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を無償で提供しているかもしれないが、株主はそれが慈善行為ではないことを心に留めておくべきだ。アンドロイドは米中貿易摩擦の激化で新たな巻き添えとなっている。大きな巻き添えと言っていいだろう。トランプ米政権は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を標的として、米企業の技術へのアクセスを制限する新規制を打ち出した。グーグルは規制を順守するため、ファーウェイに対しアンドロイドの一部サービスへのアクセスを制限することを決めた。20日には米政権の措置に90日間の猶予が設けられたが、それでもファーウェイを巡る国家安全保障上の懸念が晴れない場合、あるいは貿易を巡る緊張が続いた場合には、夏が終わる前に措置が発効することになる。