投資家と米連邦準備制度理事会(FRB)はいずれも、米経済の健全性を見極める上で、長短金利差に注目しているが、投資家とFRBは異なる現象を目にしている。これは双方が違う指標に着目しているためだ。FRBのエコノミストは通常、3カ月物短期証券(Tビル)と指標となっている10年債の利回り格差を重視する。3カ月物Tビルは今年に入り、周期的に10年債利回りを上回っている。これは「逆イールド」と呼ばれる長短金利の逆転現象で、1975年以降発生したすべてのリセッション(景気後退)に先だって発生している。だが、多くの投資家は2年債と10年債の利回り格差に注目している。2年債利回りの動向は、目先の政策会合ではなく、長期の金融政策見通しを反映しているというのがその理由だ。そして今、2年債利回りは10年債利回りの水準を下回って推移している。
イールドカーブ、FRBと投資家で分かれる解釈
FRBは3カ月物Tビル、投資家は2年債に注目
有料会員限定
あなたにおすすめ