張り詰めた緊張感を乗り越えて
「素の自分」を出せるように

 そんな本多氏の助言も奏功してか、ナインティナインはコンビ結成後ほどなくして、一気にスターダムにのし上がった。しかし20代から芸能界のトップを走り続けた岡村隆史は、40代に突入した2010年に体調を崩し、5ヵ月間休養状態に。本書では、そんな休養前後の岡村の心理も詳細に語られている。講師と生徒という立場を離れた本多氏だが、休養前後の岡村の変化は感じていたという。

「休養前に楽屋のロビーなどで出会ったときには、彼の“張り詰めた緊張感”が伝わってきました。今回、本を作るにあたって改めてじっくり話を聞いてみて、休養前は“24時間仕事モード”だったということがよくわかりました。休養後は、それ以前に感じていたピリピリ感もなく、リラックスしていると思います。表情が優しくなりましたね」

 生真面目すぎるほど笑いに向き合い続けてきた岡村だが、休養後の魅力は休養前の“くそマジメなお笑いバカ”とは、また違ったところにあるようだ。

「常に『芸人・岡村』で、ある意味“岡村隆史”を演じていた頃とは違い、今はありのまま。岡村くんの素に近い。もちろん計算はしているでしょうが、瞬間的には素のままの岡村くんが出ていて、そのポンコツ感が、画面を通して見ている視聴者にも“安心感”を感じさせているのではないでしょうか」

 芸能人が与える“安心感”。それは近年のテレビ業界においても欠かせないコンテンツの一つだ。出川哲朗にみやぞん、滝沢カレンなど、どこか間の抜けた愛嬌を持つタレントは視聴者に愛され、売れる芸能人の大切な要素となっているからである。