世界の自動車業界再編につながる可能性があるフィアット・クライスラー(FCA)とルノーの統合計画。その背景には、経営者のチューリヒでの死去と東京での逮捕、そしてフィアット創業家の若き後継者の長年の野望という人間ドラマがあった。欧州随一の有名実業家一族であるアニェッリ家。その後継者であるジョン・エルカン氏は2004年にフィアットの副会長になった時、まだ28歳だった。ニューヨーク出身の同氏はイタリアにも、そして自動車にも思い入れはほとんどなかった。現在はフィアット会長を務めるエルカン氏はそれ以降、「アニェッリ・エルカン帝国」を多角的かつ世界的な投資家に変えるべく取り組んできた。自身が憧れるウォーレン・バフェット氏を見習ってだ。しかし、そのためにはまず、より大きな自動車メーカーを作り上げる必要がある。
ルノー・FCA統合案、トップ3人の数奇な運命
フィアット前CEOの死去、ゴーン氏の逮捕、創業家の思惑が重なり合って計画は動き出した
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