ルノーとフィアット・クライスラー(FCA)の経営統合案は、日産自動車にとってはリスクをもたらす。ルノーとの連合で影響力を失う、または20年続いてきた連合から締め出される恐れがあるためだ。一方で、潜在的な利点もある。経営統合が実現すれば、日産はより広範なアライアンスの一角を形成することになり、部品調達コストの低下や技術共有の深化、研究・開発(R&D)資金の増加といった効果が期待できる。こうした利点を確保できれば、電気自動車(EV)、自動運転車、カーシェアリングや車両のコネクティビティ(接続性)を巡る競合やシリコンバレーとの厳しい開発競争を優位に進めることができるかもしれない。日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)はFCAルノーとの経営統合案について「ポジティブな話だ」と述べたが、日産は自社の権利を守るとの立場を示した。一方、ルノーはFCAが提案した対等な経営統合案についてまだ合意するか立場を明らかにしていない。
ルノー・FCA統合案、日産には「もろ刃の剣」
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