老後3000万円あっても破綻…長生きで「お金が足りない」のなぜPhoto:PIXTA

「人生100年時代」。最後までハッピーに暮らせるのなら寿命が延びるのは良いことだ。しかし、そう簡単にはいきそうにない。長く生きる分お金が必要になるが、実際にマネープランを組むと「破綻(はたん)」する人が続出してしまう。「お金が足りない」のが現実なのだ。

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「平均的な家計だとお金は全然足りませんよ」

 こう話すのは、ファイナンシャルプランナー(FP)の井戸美枝さんだ。人生100年時代に合わせて、平凡な60代夫婦の家計の将来をシミュレーションしたところ、衝撃的な結果が出たというのだ。

「何と、妻が90歳のときに金融資産がゼロになってしまうんです」

 想定したのは、定年後、継続雇用で働く会社員の夫(63)と3歳年下の妻(60)。夫はすでに「報酬比例部分」の年金130万円を受け取っており、会社の給料と合わせると手取りで年間334万円の収入がある。妻はパートで100万円稼ぐ。ともにあと2年でリタイアする予定だ。