中国政府は否定しているが、同国が国内経済(および世界経済)の成長にアクセルを踏み込む可能性は相当高い。中国の労働市場は悪化し、輸出は落ち込み、生産者物価は下落に転じる恐れがある。中国人民銀行(中央銀行)は今すぐ債務拡大に転じることはないとはねつけるが、投資家はその言葉を極めて懐疑的に受け止めるべきだ。1-3月期の名目GDP(国内総生産)の伸びは7.8%と、すでに債務残高の総額を示す人民銀の指標の伸びを下回っている。中国経済はいまも弱り続けている。貿易交渉で野心的なディールが成立しなければ、中国の「デレバレッジ(過剰債務の圧縮)」キャンペーンは当分の間、棚上げされそうだ。国家統計局が30日に発表した6月の製造業購買担当者指数(PMI)はほぼどの数字も弱かった。雇用は10年ぶりの急速なペースで落ち込んだ。新規受注と生産量はいずれも悪化した。