マクドナルドのハッピーセット英国ではマクドナルドにプラスチック製おもちゃの廃止を訴える運動で32.5万人の署名が集まった Photo:Dan Gaba/The Wall Street Journal

【ロンドン】プラスチックごみを巡る批判が新たな標的に向かっている。「ハッピーセット」のおもちゃだ。

 英国ではマクドナルドのハッピーセットについてくるプラスチック製おもちゃの廃止を訴える運動で32万5000人の署名が集まり、環境相も運動を後押ししている。

 ますます厳しい視線が注がれる背景には、プラスチックが環境に及ぼす影響への懸念がストローやコーヒーカップなどの使い捨て製品から、不要品あるいは使用期間が限定的とみられる製品にまで広がっていることがある。もはや廃棄物のみならず、生産活動が環境に及ぼす影響も焦点となっている。

 ハッピーセットをはじめとするおもちゃの多くは、多種類のプラスチックや、プラスチックと他素材の複合材料でできているため、リサイクルできないことが多い。親たちによると、おもちゃはたいていゴミ箱に捨てられる。

「プラスチックの袋を開けて、これまたプラスチック製のアイテムを取り出し、5分ほど遊んだらおそらくゴミ箱行きになるでしょう」。昨年終わり頃に署名運動を始めた姉妹のエラさん(10)とケイトリンさん(7)の母親、レイチェル・ウッドさんはこう語る。この運動はバーガーキングも対象にしている。

 マクドナルドのグローバル・サステナビリティ責任者イレーヌ・ストランク氏がインタビューで語ったところでは、同社は昨年、ハッピーセットのパッケージやおもちゃに関する環境上の課題を研究するグローバル作業部会を立ち上げた。この部会では、リサイクルしやすいように1種類のプラスチック材料でおもちゃを作る方法を模索しているほか、プラスチックの代わりに再生可能素材をおもちゃに使うことが可能か調査しているという。