「当該イベントは吉本興業の制作ではなく、都内のイベント会社が主催した。その会社の依頼を受けてタレントを派遣した。いろんなタレントが出演するイベントだったが、そのイベントのスポンサーのひとつが特殊詐欺グループのフロント企業だった」

 これについて岡本社長は「チェックが甘かった」「非常に反省している」と総括したが、実はここにこそ日本中がモヤモヤしている「矛盾」があるのだ。

「スッキリ」で加藤さんが指摘したように、この構図は宮迫さんたちと全く同じである。にもかかわらず、宮迫さんらは「無期限謹慎」や「契約解消」という処分で、吉本は「反省」で終了。個人と組織への「ペナルティ」のバランスがあまりにも悪すぎるのだ。

「それは嘘をついて会社に迷惑をかけたからだ!」と執拗にそこへ戻る人もいるが、ならば嘘をついていないスリムクラブはどうか。しかも、宮迫さんたちについても、そもそもの「きっかけ」を作ったということでいえば、吉本のやったことは「反省」で済まされるような話ではない。

 先ほども触れたように、「直営業芸人」が、この反社会勢力のフロント企業を信用したのは、吉本がタレントを派遣したイベントのスポンサーだったからである。

吉本が記者会見を
拒んだ本当の理由

 それでも会社を裏切った芸人が悪いという人もいるが、そもそも彼らは吉本に雇われているサラリーマンではなく、口頭で専属契約をしているだけの自営業者だ。実際、大崎洋会長も、ビジネスインサイダージャパンのインタビューで、「会社を通さない仕事」は入社時からあって「いまもある」と、実質的に「容認」の姿勢を見せている。

 となれば、この問題を「芸人が悪い」「嘘をついたので自業自得」で済ませるのは、さすがに無理がある。「吉本が反社がらみのイベントにタレントを派遣した」という事実がそもそも発端だからだ。

 これを踏まえると、宮迫さんらが謝罪会見を開きたいと訴えても「静観でいきましょう」と提案したあげくに「謝罪会見したら連帯責任で全員クビ」と恫喝した、という話の「本当の意味」が見えてくる。

 あなたが吉本興業の社長になったと想像していただきたい。