「長時間頑張った」以外に
評価点のないダメダメ会見
経営トップが涙を流す長時間の会見は、冷笑しか招かなかった。吉本興業が22日、所属芸人が反社会勢力のパーティーなどで活動していた問題について記者会見を開いた。岡本昭彦社長は、先に独自に謝罪会見を開いた宮迫博之氏(雨上がり決死隊)と田村亮氏(ロンドンブーツ1号2号)らに対し、契約解除などの処分を撤回する方針を示すとともに、自身と持ち株会社・吉本興業ホールディングスの大崎洋会長を1年間50%減俸処分にすると発表した。だがこの会見を、不祥事対応の第一人者である郷原信郎弁護士は酷評している。笑い殿堂企業は、なぜ「笑うに笑えない」事態に陥ってしまったのか。(聞き手/ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)
――不祥事対応のプロとして、吉本興業・岡本社長の会見をどう感じたか。
これが業界を代表する企業のトップ会見かと思うと、まったくひどい内容だ。点数をつけるとしたら10点。しかもこの10点は「あれだけの長時間にわたり、社長が壇上でなんとか頑張った」ことに対する評価でしかない。説明した内容に対しては0点だ。
――内容のどこがまずかったか。