欧州中央銀行(ECB)は25日、2016年初め以来となる利下げと、債券買い入れ策の再開に踏み切る用意があることを示唆した。揺らぐユーロ圏経済を貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱などの逆風から守るため、政策の方向転換を図る。ECBは政策理事会後に声明を公表し、中銀預金金利は2020年前半まで現行のマイナス0.4%かそれ以下にとどまる見込みだとした。この日の声明は、ECBが早ければ9月12日に開催する次回の政策理事会で大規模な緩和策を発表する用意があることを強く示唆する内容となった。ECBのマリオ・ドラギ総裁は記者会見で、経済見通しは製造業を中心に「悪化の一途をたどっている」と指摘。「インフレ面では、観察されている状況は基本的に好ましくない」と語った。