米自動車大手、ライトトラック頼りの落とし穴Photo:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 株式相場の上昇が一握りの人気銘柄のパフォーマンスにかかっている時、投資家は不安を感じる。世界の自動車業界でも似たような事態が進行している。利益の伸びが、危険なほど限られた米国のライトトラック市場にかかっているのだ。

 それでも、米国の消費者がより大型かつ高価な自動車を買い続ける限り、米自動車メーカーは強気でいられる。

 ゼネラル・モーターズ(GM)が1日に発表した4-6月期(第2四半期)決算は、市場予想を上回った。非常に重要な北米事業が2桁の営業利益率で貢献した。米自動車販売は減少。GMのシェアは縮小する市場の中で横ばいだ。ただ、同社では利幅の厚いトラックとクロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)が販売台数に占める割合が拡大した。その価格は過去最高だった。結果として北米事業の営業利益が前年同期の27億ドルから30億ドルに増加した。

 フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が7月31日に発表した決算も同様だった。ディーラーの在庫を減らすとの決定もあり、販売台数は減少したが、販売した自動車(特に電子機器を満載したピックアップ・トラック「ラム」の新モデル)の収益率は高まった。同社はコスト削減にも成功している。

 GMもFCAも米国外での事業は不振だった。GMは大規模な中国事業(同社ポートフォリオの宝だ)が同国自動車販売の減少に打撃を受け、他の国外事業は赤字の小幅縮小にとどまった。FCAの欧州部門では、営業利益率が前年同期の3%から0.4%に低下した。イタリア企業が米企業と統合してできた同社は、故国での長年の投資不足を埋め合わせようと必死だ。

 米国のライトトラック需要という恵みはどれくらい続きうるのか。目先の見通しが最も明るいのはGM。大型ピックアップ・トラックを再投入した直後だからだ。だが当面、この分野ではどのメーカーにも十分な需要がある。

 気がかりなのは、米国の消費が弱まり、大型車への需要が限界に達した時に何が起きるかだ。ライトトラック(SUV含む)が販売台数に占める割合は67%と、10年前の40%未満から大きく拡大した。この熱気が冷める時、米自動車大手が隠れる場所はなくなるだろう。

(The Wall Street Journal/Stephen Wilmot)