トランプ米大統領はグリーンランドを支配したいという意向を国防上の問題として位置づけている Photo: Oscar Scott Carl for WSJ
ドナルド・トランプ米大統領が中南米で軍事介入に踏み切ったことに対し、米国と同盟関係にある欧州諸国は外交上、気まずい雰囲気をにじませるにとどまった。だが、トランプ氏がデンマーク領グリーンランドの獲得に改めて強い意欲を示していることには警戒感を強めている。
米軍は3日、ベネズエラの首都カラカスを急襲し、独裁的指導者のニコラス・マドゥロ大統領を拘束した。それ以降、トランプ氏は西半球の他地域でも武力行使をちらつかせているほか、グリーンランド獲得に改めて意欲を示した。
デンマークは米国に対し、自国は米国にとって歴史的な同盟国であり、その領土を脅かすのをやめるよう強く求めた。さらに、グリーンランドを奪取するためのいかなる米国の軍事作戦も、北大西洋条約機構(NATO)の終わりを意味するとけん制した。欧州の主要なNATO加盟国はそろってデンマークに同調し、6日の共同声明で強制ではなく協力を選ぶよう米国に求めた。
欧州ではここ数日、西側同盟の崩壊を巡る懸念が再燃している。トランプ氏が米州で「こん棒外交(big-stick diplomacy)」の姿勢を強めているためだ。第2次世界大戦後、国家の主権保護や軍事力行使の制限といった原則に基づき築かれた国際秩序を、米国が積極的に崩そうとしているとの懸念が古くからの同盟国の間で強まっている。
同盟国が恐れているのは、世界が大国の勢力圏に分割されることだ。米国、中国、ロシアが地域の覇権国となり、より小規模な国の主権を制限することだ。







