今回は、北海道・東北地方で「年収が高い会社ランキング」を作成した。物価が安く生活しやすい地方で、高い年収の会社に勤めることができれば、額面以上の満足度が得られるはずだ。
ランキングの対象は、北海道・東北地方に本社がある上場企業。単体の従業員数が10人未満の会社は除外している。
1位から3位まで大手電力関連の大企業が占める
1位は東北電力(宮城県仙台市)で、2019年3月期の平均年収は756万円。実は、11年3月期の年収は837万円と現在よりもかなり高かったが、同年に起きた東日本大震災の影響で、業績は大幅に悪化(震災翌期の12年3月期の連結純損益は、2319億円もの赤字)。年収は下がり続け、14年3月期には680万円まで落ち込んだ。
ただ、その後は右肩上がりの回復を見せており、年収の水準はこの5年で76万円戻した。
単体の従業員数は1万2678人。北海道・東北地方の上場企業では、最大の人数を誇る。
2位は北海道電力(北海道札幌市)で、705万円。ここ3年は、700万円強の水準を維持する。
昨年9月の北海道胆振東部地震では、ブラックアウト(全域停電)を引き起こす失態を演じた。だが、それでも19年3月期の純損益は223億円の黒字を確保した。従業員数は5285人。
3位のユアテック(宮城県仙台市)は、東北電力系の電気工事会社である。年収は699万円で、従業員数は3776人だった。
東日本大震災以降、原発の停止や電力自由化の進展で、大手電力の経営は逆風を受けている。
しかし、それでも多数の雇用を維持し、高い給料を支払い続ける底力を見せつけた。北海道・東北地方では、大手電力関係の会社はいまだ存在感が大きかった。