ドナルド・トランプ米大統領が先週、中国製品への追加関税を決定したことに端を発した米中貿易戦争の激化は、連邦準備制度理事会(FRB)が直面する四面楚歌(そか)の状況を浮き彫りにしている。FRBは利下げを求めるトランプ氏の圧力にもさらされている。  FRB当局者は貿易政策の不透明感が引き起こす混乱について、すでに世界の成長減速で圧迫されている経済見通しへのリスクとの見方を明確にしている。FRBが先週、短期金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き下げると決定した翌日に追加関税が発表されたことで、FRBがトランプ氏の背中を押したとの臆測が広がった。