【モスクワ】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がネット言論規制を強化する中、「海賊」を自称する集団がこれを阻止しようと抵抗している。
10人程度のハイテク専門家や弁護士らで構成する「ロスコムスバボダ(ロシア通信の自由)」は、「基本的人権」だと考えるネットの自由を守るために戦い、一部で予想外の成功を収めている。
同グループは禁止されているサイトを開放したり、訴訟を仕掛けたりしている。最近ではロシア政府がデートアプリ「ティンダー」に対し、ユーザー情報を治安当局に伝えるよう命じていたことを暴露。ロシア国内のネット規制を巡る議論を再燃させた。
ロスコムスバボダの目下の目標は、インターネットを国外から隔離された状態にする「キル・スイッチ」導入を目指すプーチン政権の計画を阻止することだ。導入されれば、中国と同様のネット規制が敷かれることになる。
ロスコムスバボダの共同創設者、サーキス・ダービニアン氏は「われわれは日々、ネットの自由を失っている」と話す。