イタリアの高級ブランド、グッチはソーシャルメディア(SNS)を駆使してヒップホップアーティストとの関係を誇示したり、劇場型ファッションショーを宣伝したりすることで、ブランド力と売り上げを高めてきた。しかし2月、同社が発売したセーターが黒人差別を意味するブラックフェース(黒塗りメーク)を連想させると批判され、その勢いは逆回転した。続く3月、グッチはトライブ・ダイナミクスが作成するSNSで最も高い宣伝効果を上げた高級ブランドのランキングで首位から陥落。そして7月、北米の4-6月期(第2四半期)既存店売上高が2016年初め以来初のマイナスに転じたことを明らかにした。こうした失速は、インスタグラムなどのSNSを活用する高級ブランドが、SNSによっていかに急激に失墜しかねないかを物語る。SNSは、人目を引くことが重要なファッションビジネスに不可欠な存在となっており、グッチはスターデザイナーのアレッサンドロ・ミケーレ氏を中心にそうした戦略を構築してきた。
グッチが味わった浮き沈み、SNSは両刃の剣
セーターが人種差別的と批判され、勢いが一転
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